アクタージュ 覚書 その7 (scene110 宣伝 WJ21・22 合併号 バレ)

表紙絵は鳴乃皐月(8歳) アオリは 「業界のいろはを教えてあげる」

 

★引き続き、CM撮影現場

 

必死の形相で海岸を走る女子高生。妹からシェアウォーターを受け取ってガブ呑みする。

 

先程とは打って変わって気持ちの入った芝居をした夜凪。

どうやったのか、尋ねる皐月に、母が死に、父がいなくなり、全てがいやになった女子高生! 頼りになる家族は妹だけという設定をしたと答える夜凪。

修羅場の経験が違うとアリサとアキラ。

 

しかし・・・スポンサーサイドからのシェアウォーターを飲む可愛い姉妹の画が欲しいとの要望で

監督からは最初の路線で取り直しと指示される。

 

気持ちが分からないと戸惑う夜凪に、アリサが割って入り、監督の指示に従いなさいと告げる。

役を考え直すために、監督の考えを教えて欲しいと食い下がる夜凪に、監督は自分がコンセプトを考えたわけではなく、スポンサー含めた諸々の意向だと答える。

 

その様をみていたアキラは目に見えない大勢の人の理想に応えることが要求されるCMの芝居の難しさを再認識し、夜凪は「芝居に心はいらない」といったかつての千世子の言葉を思い出す。

 

「自分の納得できないお芝居はできない。」と告げる夜凪に、「あなた(俳優)の都合は関係なく、プロなら求められる芝居をやりなさい。それが大衆のスターになるということよ。」とアリサは応じ、現場に緊張が走る。

 

そのやり取りをみて、アキラは子役時代、作り笑いをしすぎて、ほっぺが痛くなったとこぼした自分に母アリサから「それが大衆のスターになることよ。」と同じ言葉を投げられたことを思い出す。

なおも二人の応酬は続くが、「人形を演じろというの」という夜凪の問いに対するアリサの答えは意外にも「この世界での戦い方を覚えなさい。」というものだった。

 

CMの意味は宣伝、つまり、紹介。

「人が人に何かを紹介したくなる時はどういう時?」というアリサの問いかけに「自分が好きなものを人に好きになって貰いたい時」と思い至る夜凪。

 

ようやく、自分がシェアウォーターを好きになる事が「自分の仕事」、今回の役作りだと悟る夜凪。

シェアウォーターを一気飲みし、あまり美味しくないと正直すぎる感想を述べて、周囲をあきれされるが、続いて、シェアウォーターを作った開発者がどういう気持ちで作った知りたいと希望する。

そこまでするのかと渋る監督に、アリサも「開発者に繋げてあげてください。」と頭を下げる。

 

結局、夜凪の希望は入れられる。「うちの商品」発言をした元井製薬の重役も「シェアウォーターを好きになりたい」という夜凪の真っ直ぐさに感じいった模様。

 

この流れを理解できない皐月に、アリサは「この子(夜凪)を見ておきなさい」と教える。

「私とともに正しい戦い方を学んでいきましょう。」というアリサの独白で以下次号。

 

*長くなりましたが、まるで舞台のような夜凪とアリサのやり取りが見所と思いましたので。

アリサとしては夜凪へ答えを与えることはもっと簡単にできたのでしょうが、あえて、自分の頭で考えさせたというところでしょうか。

また、アキラを同行させたのも、未来の千世子になりうる皐月に夜凪を見ておきなさいと教えたのも、アリサ自身も変わっていこうとしている証でしょう。

一方、夜凪はいつも通りというか、羅刹女の舞台を捨ててまで甲サイドの皆が守ってくれた

自分の芝居を変える訳にはいかないですね。

夜凪は極端にしても、こういう拘りの俳優さんはいそうです。