アクタージュ 覚書 その15(scene115 必勝  2020WJ 27号 バレ)

★どこかのスタジオ

アリサにオーディションの必勝法を問う夜凪。

オーディションは「相性を見るためのお見合いで必勝法はない。」と答えるアリサ。

 

★「キネマのうた」オーディション 控え

「デスアイランド」とは違い、見覚えのある人間ばかりと夜凪。

改めて気合を入れなおす。

 

★オーディション

4人一組で行われる。前には監督、スタッフ。壁際には様子を見に来た環蓮の姿。

元アイドルグループの新名夏。

演技に定評のある阿笠みみ。

モデル出身で売り出し中の日尾和葉。

注目の有力候補が揃ったグループ。

後一人は無名のメガネっ娘

 

新名夏は無名でもきっと実力者に違いないと緊張を隠せない。

 

チーフ監督 犬井五郎から一言。。

「キネマのうた」は戦後日本映画界を支えた女優薬師寺真波の半生を描く、主演は環蓮。

今回は、少女時代の真波と当時の共演者、計3人を選ぶオーディションだと。

まずは志望動機を尋ねる。誰から答えてもかまわないという監督に、リラックスさせるためか、環からコミュ力もみているんだよ、性格悪いねと茶化しが入る。

さらに、10代も自分が演じるつもり満々だったが肌が違うねと軽くぼやいてみせ、女性主演の大河は久々だし、緊張しないで頑張ってねと激励。

 

それを受けて、まずコメントしようとした新名夏をさえぎって、阿笠みみが口火を切る。

充分な稽古の時間が取れないテレビドラマの中でも大河は別格。芝居の喜びを味わえる。

なにより、環が主演なのでぜひ合格したいと。

続いて、日尾和葉。MHKからオファーがあり、事務所に言われたから、来ているだけで、

ギャラも安いし、出来れば落としてほしいと暴言を吐く。

さらに、メガネッ娘も自分も事務所の意向できているが、それに納得しており、役を貰いたいと宣言する。

最後に、新名夏が元々役者志望だったが、アイドルでデビューして・・・とコメントしようとしたところ、総選挙3位、元センターの有名人ということもあってか、途中で切られてしまう(笑

 

志望動機に続いて、本読み。

 

挽回しようと気合を入れる新名夏。

演技力は確かで、努力の子だなと監督も評価する。

続いて、日笠みみ。

本読みですでに涙を流して、鋭い感受性をみせる。

対して、やる気のない日尾。まるでカズハ様(苦笑

しかし、台詞を述べると空気が一変。

王賀美を思わせる存在感で魅力を発する。

 

最後のメガネッ娘・・・脚本を閉じて、日尾和葉の前に仁王立ち。

日尾に向かって台詞を発して挑発する!

挑発に乗った日尾に負けじと、新名、阿笠も参戦し、喧嘩まがいのエチュードに。

役を入れ替えて、もう一度という監督の言葉でエチュードは終了。

しかし、志望者は皆無名のメガネッ娘の演技力に驚かされていた。

 

その時、環が「どうして君はオーディション前から芝居してるの?」とメガネッ娘に問いかける。

 

質問の意味が分からない志望者たち。

 

メガネを外して答えるメガネッ娘

オーディションは相性をみるためのお見合いで必勝法はない。

「だったら、できるだけいろんな子を演じた方が有利だと思って」

彼女は夜凪景だった。

 

君は面白いなと笑う環。

 

 

*志望者達の個性を描き、夜凪で仕掛けをしててきた回です。

ただ、本読みのシーンで、当てられた役と台詞が一致していないような気がして、

連載当時、どこか変調を感じた記憶があります。

勘繰れば、原作者の「変調」の兆しなのですが・・・