アクタージュ 覚書 その20 (scene119 役者たち 2020WJ31号 バレ)

★ 赤レンガの東京駅

大正時代(?)風の衣装を着た白石&市子 

撮影の合間に大河に出演する夜凪の噂話。 白石はスターズの鳴乃皐月と薬師寺真美の因縁を思い、夜凪を案ずる。

 

表紙絵 カラー アオリ「なんにだって、なれる」

夜凪の演じたキャラクター勢ぞろい

シチューを作る女子高生 江戸の町娘 ケイコ カムパネルラ 羅刹女 

シェアウォーターを飲む姉 新宿ガール

その中央に、カムパネルラとからむ制服姿の夜凪がいるのですが、考えてみると、これは映研の映画に出演した夜凪景でしょうか

 

★柊・「スミス」と合流し、食事をする主演トリオ

薬師寺真美と夜凪がケンカしたと聞き、仰天する柊。

真波をちゃんと演じきったら、皐月ちゃんに謝ってといっただけとまるで意に介さない夜凪。

環も格好良かったよと気にも留めない様子。

スターズも目を付けられたのではと案ずる「スミス」に皐月もアリサが侮辱されたのだから、自分が怒るべきだったと言い出す始末。

 

薬師寺真美は薬師寺真波の長女であり、日本を代表する大女優でもある。10歳ほど歳の離れたアリサとはよく共演し、姉妹のように親しかったと語る「スミス」

何かの遺恨があり、スターズの俳優は薬師寺真美との共演を避けてきたと続ける。

皐月を共演させたのは、アリサが変わろうとしていることの表れだとも。

 

自分たちのすることは薬師寺真波を演じ切ることだけと言い切る夜凪。

皐月も、自分が真美に認められれば、アリサと真美が仲直りし、大女優に認められた自分も大女優になるという大作戦(笑 を披露する。

環もその作戦で行こうと大真面目。

 

三世代に渡って、一人の人間を演じるのは難しいと夜凪。

まずはイメージの共有が必要と環。

三人で同じ顔に整形すればいいという皐月の名案(苦笑 を却下し、

皐月の演じる薬師寺真波を的にすればいいと夜凪。

的が決まればいつもと役作りは同じで難しくはない。逆に、的がずれれば続く2人の真波もずれてしまうので、同居して、皐月が真波を掴むのを手伝うというのが夜凪の考えだった。

それを聞いた柊は大河の主演は環なのだから、環に合わせていく方がよいのではないかと意見するが、当の環がその方法論で間違っていないと夜凪に同意する。

そして、皐月に「やれる?」と問い、「うん」と言う返事に「よし」とにっこり微笑む。

柊は大河の役作りを子供に投げるかのような環の意図が分からなくなっていた。

 

★帰りの車中

皐月は、自分を「子役」ではなく、「女優」と見てくれる二人のために頑張ると決意を述べる。

そして、シェアウォーターのCM撮りの時、夜凪を評したアリサの「良い芝居は人の心に残る」という言葉を思い出していた。

そんな皐月に、「スミス」は「そうですね」と返していた。

 

 

★『鎌倉』

★砂浜に立つ三人。

海にはしゃぐ皐月。泳ごうかと話す二人に、真波は泳げなかったから、私も泳がないと勉強の成果を示す。

さらに、真波の母親は無声映画活弁士だったが、7歳の時、火事で両親を亡くし、鎌倉の祖母の元に預けられる。そこで、毎日のように松菊撮影所に通い詰めた。

母親を探しにいくようなつもりで、海を見ていた・・・と続けたところで、真波の家は北鎌倉、撮影所はもっと内陸なので海は見えないと夜凪の指摘。

うっとなる皐月に、分かっていることは正確に。分からないところは想像してよいけれど、3人で共有する事と夜凪が告げる。

夜凪の言葉を律儀にノートした皐月は、海を見ていたというのはヒッカケでよく気づいたわと夜凪に憎まれ口を叩く。気づいた事があれば言いなさいと胸を張る皐月に当惑する夜凪。

見守る環は楽しそう。

 

★北鎌倉 古民家

築100年。当時の真波が住んでいた家に近いのではと、環が自腹(!)を切って借りたという。

お礼を言いつつ、「一番目立つのは私」と宣言する夜凪に、「皆、そう思っているよ」と貫禄を示す環。

一番後輩なんだから、がんばりなさいと皐月ねえさんも言われ「えっ」となる夜凪景(笑

 

*皐月が幼いながら役者としての覚悟を持つというのが随所にうかがえます。

共演者を本気にさせるのが夜凪の怖ろしいところといった事を思い出します。

トップ女優の環についてはむしろ後輩の面倒を見るという色合いが強いのでしょうか。

ただ、環が面倒見のいい女優であり、また、夜凪に関しては黒山門下のいわば姉弟子のような感覚があるとしても、自分にもプラスにならないことはしないでしょう。

夜凪や皐月の人間観察をするという事自体が、古い表現だと芸の肥やしのように効いて来るという事なのかもしれません。

 

裕次郎に続いて、アリサの過去に関わりのあるキャラが登場してきましたが、スターズが共演NGにしていたのは役者を芝居に溺れされるような面を薬師寺真美が持っているからなのかもしれませんね。星アリサについてはまた考えてみたいと思います。